今回は、電動リールなどで利用する為の、リチウムイオンバッテリーの紹介をしたいと思います。最近、徐々に普及してきているリチウムイオンバッテリーですが、未だ鉛蓄電池(鉛バッテリー)との価格差は大きいのが現状です。その価格差を埋めるだけのメリットなどは有るのか!?皆さんも気になるところかと思います。具体的な比較レビューの記事も少ないので、今回、Fishing Hoursで、そのあたりの実情を、鉛蓄電池とリチウムイオンバッテリーの比較を含めて徹底レビューをしていきたいと思います。
メーカー仕様
リチウムイオンバッテリー本体
項目 | 仕様 |
---|---|
使用温度範囲 | -10℃〜60℃ |
充電温度範囲 | 10℃〜45℃ |
防塵・防水 | IP65 |
認証 | PSE取得 |
容量 | 11.6Ah |
電圧 | 14.4V |
サイズ(mm) | W209×D112×H70.5 |
重量(kg) | 1.4 |
その他 | 過放電保護付、ベルト付 |
チャージャー(専用充電器)
項目 | 仕様 |
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出力電圧 | 16.8V |
出力電流 | 2A |
入力電圧 | AC100~240V 50/60Hz |
サイズ(mm) | 127×67×38 |
重量(g) | 400 |
コード長(m) | 1.8 |
機能1 | 逆接保護機能内蔵 |
機能2 | ショート保護機能内蔵 |
製品レビュー
外観
外観は、先ずは本体のオレンジ色が、一目でこの製品が特定できてしまうくらい特徴的です。目立つ色なので好き嫌いは別れてしまうかもしれませんね。しかしながら樹脂成形された筐体はかなり綿密に設計されている様で、作りもとても頑丈そうです。また、底面にはゴムの滑り止めがしっかりと有り、揺れの大きな船上でもしっかりと固定して釣りに専念できそうです。また、電動リールのコードなどのワニ口クリップで接続する為の電極部分は、電動リール2台分や魚群探知機などの周辺機器を複数接続できる様に設計されているところは、とても使い勝手が良さそうです。尚、スイッチ類を含めた操作パネルはシートスイッチになっており、防水対策がしっかり取られている感じですね。流石IP65の仕様を謳っているなぁという感じです。
その他
それでは製品を触っていきます。このバッテリーは、電源スイッチをONするまで、電圧出力はされておりません。電源ボタンを1回クリックすると電源が入り、バッテリー残量LEDが点灯して、電圧出力が開始されます。電圧出力を切りたい場合は、約3秒ほど電源スイッチを長押しするとバッテリー残量LEDが消灯し、電圧出力がOFFになります。
私個人としては、タックルボックスにゴチャッと入れたりすることも有ると思うので、安全のためにも電源ONも長押しで電源が入るような感じが良かったのではないかと思いました。何かが電源スイッチを押してしまうと電源が入ってしまうので、少し危険を感じました。仕様に『過電流保護機能付き』とあるので、短絡した場合には直ぐに電源が切れるとは思うのですが、今回、試験は省きました。
とりあえず、タックルボックス内での短絡の可能性を少しでも下げる為に、手持ちのPVCチューブで端子の保護をしたいと思います。また、別途、なにかシンデレラフィットするようなケースを探してみたいと思っています。
全体的な造りとしては、手に取ってみるとかなり頑丈な感触を受けました。出力電圧は、定格14.4Vに対し、16V強が出ていて、電動リールのパフォーマンスをしっかり出してくれそうです。
リチウムイオンバッテリー vs 鉛蓄電池
せっかくなので、電動リール用のバッテリーとして最も一般的な鉛蓄電池と、BMO社のリチウムイオンバッテリーでどれだけの違いがあるのか?確認をしてみました。電動リールは、基本的には直流モーターが搭載されておりますので、バッテリー電圧の違いがそのまま巻き上げスピードに影響してきます。
今回、手持ちのシマノ フォースマスター300を利用して、検証してみました。
50m巻スピード比較 | リチウムイオンバッテリー BMO BM-L116-SET | 鉛バッテリー (SEA KING 12VDC 12AH) |
---|---|---|
電圧 | 16.48V | 12.78V |
1回目 | 22.50秒 | 28.04秒 |
2回目 | 22.53秒 | 28.25秒 |
3回目 | 22.71秒 | 28.44秒 |
平均 | 22.58秒 | 28.24秒 |
鉛バッテリーに対しての巻き取り時間 | 80% | 100% |
結果ですが、上記の通り電圧の差の分、なんと20%も巻き上げ速度がアップしました。電圧の差によりモーターの発生トルクの差の影響も有るので、1ランク上のリールになった様な雰囲気です。このような違いは、直流モーターを搭載する電動リールであれば、多少の違いは有れど、同じ様な結果が得られると考えます。効果、凄くないですか!?
この巻き上げ速度の違いは、実釣時にも、手返しの速さに繋がりますので、鉛バッテリーと比べて大きな優位性と思いました。
検証の状況は、是非、動画にて確認してくださいませ。
紹介動画(リチウムイオンバッテリー vs 鉛蓄電池)
準備中 ※近日公開予定
価格
BMO社製 BM-L116-SET
- メーカー標準価格
- 48,180円(税込み)
- 市場価格
- およそ35,000~50,000(税込み) ※2021年4月現在
BMO社製 10Z0009 ※もう少し容量の小さいバッテリーで良い方はこちら
まとめ
バッテリー価格の違いは有りますが、リチウムイオンバッテリーだと電動リールのパフォーマンスをしっかりと出せることが判りました。20%も巻き上げ速度が変わったのには驚きました。バッテリーは何年も継続利用するものです。懐状況にもよるとは思いますが、これからバッテリーを検討される方は、リチウムイオンバッテリーをお勧めします。そして、その中でもBMO社のバッテリーは、コストパフォーマンスがしっかりあって、お勧めです。
【メリット】
- 鉛バッテリーより軽い。
- 鉛バッテリーより小型である。
- 電動リールのパフォーマンスを100%発揮できる。
- 巻き上げ速度が鉛バッテリーより約20%早くなる。
- 複数の電源が取れる様な使い勝手の良い端子を搭載している。
【デメリット】
- 鉛バッテリーより高価である。
- 寿命が心配!? ※メーカーでは、300回程の充放電回数を想定しているようです。
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